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近代合理主義と流通 〜 マックス・ウェーバーをとおして見る「合理化」の正体
はじめに今日私たちが生きる資本主義の世界は、「合理化」の追求の結果として、便益の享受という点で絶頂に登りつめた世界かもしれない。流通においては、フォード主義以降の大量生産・大量消費に伴って、大量仕入れ・大量販売を行なうマスマーチャンダイジングが発展。多数の店舗を統括し展開するチェーンオペレーションの広がりとともに、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどが隆盛を極めていく。また、戦争における兵站(へいたん)(※1)に端を発する物流機能を統合的に管理するロジスティク