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りんごから本へ。神保町愛がつまった憩いの場「BOOK SHOP 無用之用」

雑誌『広告』

編集部員の全国書店開拓ノート45

販路開拓のために編集部員が訪れた全国の書店。直接お会いしてわかった店主のみなさまの本に対する思いやご当地の魅力を綴ります。

BOOK SHOP 無用之用 @東京都神保町

「世界最大の本の街」とも言われる神保町。専門の古書店、新刊書店など100軒以上の書店が軒を連ねます。今回はそんな神保町にある「BOOK SHOP 無用之用」を訪問しました。神保町駅A7番出口を出て、老舗喫茶店の「さぼうる」の前をとおり、すずらん通りへ。ここは文豪たちが通ったと言われる名店がいまも残っています。

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お、すずらんポール発見!

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お店は3階。エレベーターを降りると全面ガラス張りの窓から明るい光が差し込みます。奥行きがある店内は、両サイドに本棚、コーヒーやお酒を楽しめるカウンターが設置され、あちこちにドライフラワーやグリーンが飾られています。天井も高く気持ちのいい空間、そしてなんだかいい匂い……(それは店内で出張販売されていたtasuuさんのパンの匂いだと後々知る)。

BOOK SHOP 無用之用に初めてお伺いしたこの日は、2021年2月16日。流通特集号の発売当日でした。入り口のいちばん目立つ棚にポスターとともに流通号をどどーん! と置いてもらっているのを見つけ感動。カウンターでは流通特集号のページをめくりながらお茶を飲んでいるお客さまも。どうやら購入いただいたよう。お礼を言いたい! 感想を聞きたい!………そんな気持ちを抑え店主の片山さんにまずはご挨拶。その後、片山さんから私が『広告』編集部の者であることをお伝えいただき、そのお客様ともお話することができました。「流通経路が見えるなんておもしろいし、装丁がかっこいいですね」と(嬉しい!)、その方は段ボール装を開封したときに出るぺりぺり(切れ端)まで大切そうに持ち帰ってくださいました。こんな風に実際に購入されたお客様とお話しすることはなかなかないので、貴重なひとときでした。

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その後もカウンターは常連さんがわいわいと。日本各地のお盆を研究されている方、わんちゃんといっしょにご来店の方。聞くと書店をオープンされる前からのお客さんだとか。片山さんの前職は神保町のりんご屋さん。りんご専門店の弟さんを手伝うようになり、神保町という町がとにかく大好きになり、この町にお店を開くことを決められたそう。

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どうりで。お店の本棚よーく見るとりんご箱なんです。それぞれのりんご箱には、「こういう感じのおうちのおせち料理が食べたい」「昼から飲む為の作法と心構えとは」「集めてみると何かがわかる?」などのタイトルが。一般的なジャンル分けではなく、ちょっと気になる言葉の箱の本を選べるのが楽しい仕組み。

この訪問から1年ちょっと経った2022年7月、移転されると聞き再びお店を訪問しました。移転前にもう一度と来られるお客様、出張販売のパンを囲んでお話される方などで賑わっていました。久々の書店訪問ということもあり、本棚を探検し気になっていた本を1冊購入。お会計を済ませたときに目にはいったのが予想していなかった長いレシート。

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レシートの半分以上を占めるのが片山さんのウンチク。内容は不定期に更新されるそうで、この日は江戸の三大「道楽」について。園芸道楽、釣り道楽、文芸道楽の3つあるんだそう。それは、知らなんだ。このウンチク、うれしいことがあった日にはもっとながーくなるそう。集めたくなっちゃうやつ。「一見、無用に見え短期的に役に立たない知識や書籍にこそ、本質的な価値がある」をコンセプトにされている無用之用さんならではのレシートです。

BOOK SHOP 無用之用は流通特集号から取り扱っていただいている書店で、最初にご案内した際も、以前より『広告』は共感できることが多く、毎号楽しみにしていた、ということをとても丁寧にお伝えくださった片山さん。お客さまだけでなく関わる人みんなに丁寧に接していらっしゃるからこそ、常連さんも初めて来た人も心地よく、本と会話を楽しめるお店なんだと感じました。

いま現在、店舗は移転のため一時閉店していますが、2022年の秋、神保町でリニューアルオープンの予定だそうです。新しいお店への訪問も楽しみにしています!

BOOK SHOP 無用之用  探訪メモ

浅野屋
無用之用の定休日には必ず!?通っているという片山さん行きつけの呑み屋「浅野屋」。ひのきのコの字カウンターが素敵なお店で、だし巻きやなすの浅漬けなどのおつまみが、何を頼んでもおいしいんだそう。するめの天ぷらなんていう珍しいものも。訪問の帰りに1杯飲んで帰りたかったのですが、会社に戻らねばならず断念!残念!
▶︎ お店の場所はこちら 

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南インドの定食と軽食 三燈舎
無用之用の訪問前に、気になっていた「三燈舎」でランチを。カレーの街でもある神保町。某孤独系グルメ番組でも紹介されたことのある南インド料理のお店で、私は辛口、中辛、マイルド3種カレーが楽しめるCセットをオーダー。スパイスが効いたカレー、まんまるサクサクのドーサ、どうやって精米したのか知りたいロング米バスマティーライスなど、なかなか刺激的でくせになるお味でした。ちなみにこちらは片山さんもお気に入りのお店のひとつだそう。
▶︎お店のHPはこちら

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文:『広告』編集部・大塚

BOOK SHOP 無用之用
2020年6月オープン。元りんご屋の店主、片山さんセレクトの無添加りんごジュースやちょっと珍しいビールを楽しみながら本を眺めることができます。お花を使ったワークショップやトークイベントも定期的に開催されています。現在は移転準備のため店舗は一時閉店しています。
▶︎ 詳しい情報はこちら
※状況に応じて一時休業または営業時間が変更になる場合があります。詳細はリンク先よりご確認ください

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博報堂が発行する雑誌。「いいものをつくる、とは何か?」を思索する“視点のカタログ”として2019年にリニューアル創刊。クリエイティブディレクター/プロダクトデザイナーの小野直紀が編集長を務める。最新号の特集は「虚実」。