118 激動する社会とマンガ表現
2021年、コミック(マンガ)の販売額は6,759億円に達し、1995年のピークを2年連続で更新。過去最高の市場規模になった。電子書籍の普及は言うまでもなく、コロナ禍で巣ごもり需要が増えたり、ヒット作に恵まれたりといった時勢が理由に挙げられるものの、マンガの存在感は増すばかりだ。
同時に、この10年、SNSの普及やポリティカル・コレクトネスの認知に伴い、女性蔑視や差別表現などを理由にマンガ作品が炎上したり再注目されたりする機会も目立つようになった。社会の変化に伴い、かつては