雑誌『広告』

博報堂が発行する雑誌。「いいものをつくる、とは何か?」を思索する“視点のカタログ”として2019年にリニューアル創刊。クリエイティブディレクター/プロダクトデザイナーの小野直紀が編集長を務める。最新号の特集は「文化」。

雑誌『広告』

博報堂が発行する雑誌。「いいものをつくる、とは何か?」を思索する“視点のカタログ”として2019年にリニューアル創刊。クリエイティブディレクター/プロダクトデザイナーの小野直紀が編集長を務める。最新号の特集は「文化」。

マガジン

  • 『広告』文化特集号 全記事公開

    2023年3月31日に発行された雑誌『広告』文化特集号(Vol.417)の全記事を公開しています。 (2023年8月24日追記)「124 ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」は、対談者・矢野氏の意向によりnoteでの全文公開を見送ることとなりました。ご了承ください。

  • 『広告』文化特集号トークイベント

    『広告』文化特集号に関わりの深いゲストをお招きして開催するトークイベントについての情報をお知らせします。

  • 編集部員の全国書店開拓ノート

    『広告』の編集部員が全国の書店に足を運んで販路開拓を行なった記録を、順次公開していきます。

  • 『広告』虚実特集号 全記事公開

    2022年3月1日に発行された雑誌『広告』虚実特集号(Vol.416)の全記事を公開しています。

  • 『広告』流通特集号 全記事公開

    2021年2月16日に発行された雑誌『広告』流通特集号(Vol.415)の全記事を公開しています。

記事一覧

29 権威と民意のアワードマップ

28 権威の崩壊、民意のリスク 〜 批評家 佐々木敦氏インタビュー

27 本当の請求書

26 つくり手が変える対価のあり方 〜 慣習を超えて価値を生み出すために

25 見積もりの透明化 〜 ブラックボックスをひらくとき、ものづくりはどう変わるのか

29 権威と民意のアワードマップ

世の中にはたくさんの賞があふれ、いたるところで「〇〇賞受賞作品」といった言葉が氾濫している。つくり手にとって、受け手にとって、業界にとって、アワードの役割は様々。そもそも、アワードというものは、いったいどんな仕組みで、誰によって決められているのか? 権威が認めたらいい作品なのか? 民意によって支持されるものがいい作品なのか? 本稿では、マンガ・音楽・映画の3つの業界のアワード俯瞰マップをそれぞれ作成し、アワードの役割や意味についての考察を行なう。なお、俯瞰マップはコンテンツ

28 権威の崩壊、民意のリスク 〜 批評家 佐々木敦氏インタビュー

映画や音楽の世界では、いまもアカデミー賞やグラミー賞のような権威あるアワードがあり、日本でもレコード大賞はいまだ、年末の風物詩として残っている。その一方で、ミシュランガイドに対しての食べログといったように民意による評価が勢いを増してきている。評価の影響力が権威から民意へと移行するなか、その裏側で何が起きているのか。権威と民意、そのどちらとも違う立場から世の中を見つめてきた批評家・佐々木敦さんに、いまの時代における評価の実態と行く末を伺った。  権威の力が弱まったあとに、人々

#5 評価

評価とは、ものの価値の有無やその程度を認める行為です。評価によって、価値が高まったり、潜んでいた価値が顕在化することもあります。これはつまり、評価によって価値が生み出されているとも言えます。評価というのは、とても創造的な行為なのかもしれません。 ひとりのつくり手として、僕はたくさんの人に届けたいとか、あの人に認められたいとか、比較的評価を気にしながらものをつくっています。ただ、評価されることへの欲求に偏りすぎないよう注意もしています。そうしないと、小手先の手法論が先に立って

27 本当の請求書

つくり手が「失うもの」と「得るもの」ものづくりに携わるつくり手にとって、請求書とは、いわばつくり手が仕事を通じて「失うもの」と「得るもの」を記載したものである。つくり手が「失うもの」の代表は時間であり、筆者の属するエンジニア業界では工数といった言葉で表される。ほかに、材料費や外注費、間接経費など、一時的に立て替えたお金も「失うもの」に含まれる。一方で、それらと引き換えに「得るもの」は報酬としてのお金である。 そう、「得るもの」はお金である。請求書の上では、お金以外の「得るも

26 つくり手が変える対価のあり方 〜 慣習を超えて価値を生み出すために

同じ文章を書く仕事でも、「作家」と「ライター」の性質は異なる。商業文章のライターである私は、出版社やクライアントから発注を受けて初めて、文章を「つくる」からだ。 先日、こんなことがあった。私がゴーストライター(編集協力)として参加した書籍で、事前に著者と口頭で約束していた印税の分配率が、出版の直前に出版社の意向で大幅に下げられてしまったのだ。事前に契約書を交わさなかったことが原因であるが、受発注の関係性は得てして「仕事を与える」側と「仕事をもらう」側といった、不均衡なパワー

25 見積もりの透明化 〜 ブラックボックスをひらくとき、ものづくりはどう変わるのか

見積もりは、ものづくりにおいて価値を生み出すスタート地点とも言える。にもかかわらず、どんぶり勘定や利益の水増しなど、見積もりのあり方には不透明な部分も多い。しかしいま、これまでブラックボックスとされてきた「見積もり」が、建築業界で変わり始めている。近年登場したBIMと呼ばれる建築設計システムは、設計にかかわるすべての情報をクラウド上でデータベース化し、その透明化を推し進めるツールになりうる。 見積もりというブラックボックスがひらかれるとき、何が起こるのか。その実態を探るべく