雑誌『広告』

博報堂が発行する雑誌。「いいものをつくる、とは何か?」を思索する“視点のカタログ”とし…

雑誌『広告』

博報堂が発行する雑誌。「いいものをつくる、とは何か?」を思索する“視点のカタログ”として2019年にリニューアル創刊。クリエイティブディレクター/プロダクトデザイナーの小野直紀が編集長を務める。最新号の特集は「文化」。

マガジン

  • 『広告』文化特集号 全記事公開

    2023年3月31日に発行された雑誌『広告』文化特集号(Vol.417)の全記事を公開しています。 (2023年8月24日追記)「124 ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」は、対談者・矢野氏の意向によりnoteでの全文公開を見送ることとなりました。ご了承ください。

  • 『広告』文化特集号トークイベント

    『広告』文化特集号に関わりの深いゲストをお招きして開催するトークイベントについての情報をお知らせします。

  • 編集部員の全国書店開拓ノート

    『広告』の編集部員が全国の書店に足を運んで販路開拓を行なった記録を、順次公開していきます。

  • 『広告』虚実特集号 全記事公開

    2022年3月1日に発行された雑誌『広告』虚実特集号(Vol.416)の全記事を公開しています。

  • 『広告』流通特集号 全記事公開

    2021年2月16日に発行された雑誌『広告』流通特集号(Vol.415)の全記事を公開しています。

記事一覧

9 「新しさ」の ジレンマ 〜 新しくない新商品はなぜ生まれるのか

家電の世界には、毎日のように新しい商品が登場する。だが、人々が話題にするのはその一部に過ぎない。 「いままでになかったジャンル」「いままでにない機能」はわかりや…

41

#2 新しさ

世の中には、新しくない「新しさ」が溢れている。 たとえば、家電量販店にずらりと並んだ新商品。よくよく見ると少しだけ見た目が変わっていたり、ボタンがひとつ増え…

26

8 無料2.0 〜 図解で読み解く新たな「無料」のしくみ

2009年、『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(以下『フリー』)という本がNHK出版から発売された。そこには「フリーミアム」を筆頭に、無料で儲ける仕組みや概念…

63

7 値付けの裏側 〜 私たちは何を買っているのか

「ファンなので絵を描いてほしい」。レストランで女性に声をかけられたピカソ。さらさらと絵を描いてこう言った。「100万ドルです」。「30秒で描いたのに?」。驚く女性に…

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6 チープをモチーフにするハイブランド 〜 価値付けのゲームはどこへ向かうのか

あの、青いIKEAバッグそっくりのバッグ。一見、大衆的でチープなモチーフを扱ったアイテムがいま、高価格で販売されている。それらをリリースしたのは、バレンシアガ(BALE…

51

雑誌『広告』1冊2,500円

先日発売された雑誌『広告』リニューアル創刊号は好評なようで、すでに1万部が完売したそうだ。「1円で販売される」という話題性もあって手にした人も多いと思うが、中身の…

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9  「新しさ」の
ジレンマ 〜 新しくない新商品はなぜ生まれるのか

9 「新しさ」の ジレンマ 〜 新しくない新商品はなぜ生まれるのか

家電の世界には、毎日のように新しい商品が登場する。だが、人々が話題にするのはその一部に過ぎない。

「いままでになかったジャンル」「いままでにない機能」はわかりやすい。しかし、そういう明確な新しさを持った製品は少数だ。

ほとんどの新製品は、販売店での「棚」を確保したり、商戦期に製品をアピールするためにつくり出される。

とはいえ、そうした日常的に生まれる新製品が、すべて意味のないものか、というと

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#2  新しさ

#2 新しさ

世の中には、新しくない「新しさ」が溢れている。



たとえば、家電量販店にずらりと並んだ新商品。よくよく見ると少しだけ見た目が変わっていたり、ボタンがひとつ増えていたり。でも、誰もそのボタンを使わないとすれば、その「新しさ」に何の意味があるのでしょうか。世の中には「新しさ」という名のニッチな差別化や、本質的ではない微細なアップデートが蔓延しているように思えてなりません。

そうは言うものの、つ

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8  無料2.0 〜 図解で読み解く新たな「無料」のしくみ

8 無料2.0 〜 図解で読み解く新たな「無料」のしくみ

2009年、『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(以下『フリー』)という本がNHK出版から発売された。そこには「フリーミアム」を筆頭に、無料で儲ける仕組みや概念が提唱され、世界25カ国で刊行されるベストセラーになった。発売から10年経った2019年のいま、様々な形に進化した無料のサービスやビジネスが生まれ、時代背景も大きく変化してきている。ここに、かつての定義ではとらえきれない新たな「無料」

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7  値付けの裏側 〜 私たちは何を買っているのか

7 値付けの裏側 〜 私たちは何を買っているのか

「ファンなので絵を描いてほしい」。レストランで女性に声をかけられたピカソ。さらさらと絵を描いてこう言った。「100万ドルです」。「30秒で描いたのに?」。驚く女性にピカソは答えた。「いいえ、40年と30秒です」と。

これは、値付けにまつわる逸話である。この話からもわかるように、ものの値段には表には見えてこない裏側がある。本稿では、私たちの身の回りにある様々なものの値段がどのように決められているの

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6  チープをモチーフにするハイブランド 〜 価値付けのゲームはどこへ向かうのか

6 チープをモチーフにするハイブランド 〜 価値付けのゲームはどこへ向かうのか

あの、青いIKEAバッグそっくりのバッグ。一見、大衆的でチープなモチーフを扱ったアイテムがいま、高価格で販売されている。それらをリリースしたのは、バレンシアガ(BALENCIAGA)、 ヴェトモン(VETEMENTS)など、いずれも昨今のファッションシーンを牽引するハイブランドだ。両ブランドの中心人物であるデザイナーのデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)は、一体なぜこのようなアイテム

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雑誌『広告』1冊2,500円

雑誌『広告』1冊2,500円

先日発売された雑誌『広告』リニューアル創刊号は好評なようで、すでに1万部が完売したそうだ。「1円で販売される」という話題性もあって手にした人も多いと思うが、中身の記事も楽しんでいただけていれば、執筆に参加した人間としても嬉しい。

本号では「どんぐり100個600円」という記事を担当した。実はメルカリには、その辺で拾ったどんぐりを販売して商売にしている人たちがいる。ハンドメイド工作の素材として買わ

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