『広告』リニューアル創刊号 全文無料公開

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いいものをつくる、とは何か?

「広告はもうやりません。ものづくりをやります」と博報堂の役員に宣言したのが5年前。まさか“広告”を冠した雑誌をつくることになるとは思いもしませんでした。 『広告』は、変な雑誌です。編集長が2〜3年に一度変わって、その度にテーマも体制も、判型も価格も、全部変わります。“広告”という誌…

#0 価値

「意味」はあるけど、「価値」はあるのか? 買い物に行ったり、マンガを読んだり、日々いろんなものに触れるなかで、そう考え込んでしまうことがあります。どこかで見たことのあるデザイン、何が新しいのかわからない新製品、似たような設定の似たような絵のマンガ。そういう、なんだかつまらないもの…

1  価値と人類 〜 松村圭一郎 × 『広告』編集長 小野直紀

「ものの価値」って何だろう。どうやって人はものに価値を感じているのだろうか。そんな根源的な疑問を文化人類学者の松村圭一郎氏に本誌編集長の小野直紀が投げかける。 松村氏は「すべての物事は再構築できる」との立場を取る“構築人類学”を提唱している。いまの時代に、価値あるものとは何なのか…

2  価値のものさし

人は、複数の「ものさし」で価値を測っている。様々なものさしを組み合わせ、使い分け、価値を判じている。当然、人によって持ち合わせている「ものさし」は違う。それが価値観の相違を生む。 世の中には膨大な種類の「価値のものさし」が存在している。文化や社会環境によっても異なる。そして、時代…

#1  価格

先日、ひとり5万円する高級レストランに行く機会がありました。瀟洒な空間に高級そうな器、ウェイターのあり余るホスピタリティとともに出てきた料理やワインは、確かにおいしかった。 ただ、こうした場に不慣れだった僕は、なんだかモヤモヤしながら帰路についたのです。はたしてこの食事に、5万円の…

3  江戸時代の価値と経済

「ものの価値」について話すとき、ついついお金の話になりがちな昨今。しかしほんの数百年前に遡れば、お米や金・銀・銭(銅)で価値を換算している時代もあったのです。徳川幕府260余年、日本の近代社会の基盤がつくられた江戸時代には、いまにつながる様々な慣習や価値観が生まれました。現代の「価…

4  花森安治の「紅いバッグの話」 〜 お金ともの、そしてその価値

高価なものと美しいものと 紅いバッグの話  なにかのことで、お祝いか法事で、親類縁者が一堂に会した。もちろん、こういうことは、戦後ではなかなか見られないことで、この話は、戦争初期のことと思つてください。  親類縁者が集まれば、例によつて例の如き雰囲気を呈することは、ご想像のとお…

5  どんぐり100個600円

メルカリで「どんぐり」を検索すると、たくさんのどんぐり販売人が出てくるのをご存じだろうか。価格は数百円~千円程度。装飾を施すなど、加工した品もあるが、ほとんどは無加工の普通のどんぐりだ。「近所で拾ってきました」などと書いてある。誰が一体何の目的で、何の変哲もないどんぐりを売ってい…

雑誌『広告』1冊2,500円

先日発売された雑誌『広告』リニューアル創刊号は好評なようで、すでに1万部が完売したそうだ。「1円で販売される」という話題性もあって手にした人も多いと思うが、中身の記事も楽しんでいただけていれば、執筆に参加した人間としても嬉しい。 本号では「どんぐり100個600円」という記事を担当した。…

6  チープをモチーフにするハイブランド 〜 価値付けのゲームはどこへ向かうのか

あの、青いIKEAバッグそっくりのバッグ。一見、大衆的でチープなモチーフを扱ったアイテムがいま、高価格で販売されている。それらをリリースしたのは、バレンシアガ(BALENCIAGA)、 ヴェトモン(VETEMENTS)など、いずれも昨今のファッションシーンを牽引するハイブランドだ。両ブランドの中心人物で…