『広告』リニューアル創刊号 全文無料公開

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10  「新しい」はもう古い? 〜 広告クリエイティブの “ねじれ”に時代を見る

ホモ・サピエンスは新・珍・奇がお好き 「新しい」はそれだけで人を魅了する力がある。新しい製品、新しいサービス、新しい暮らし。何の変哲もない言葉もその冠をつけただけで、人の期待は高まってしまう。だが、「新しい」とは結局のところ何なのか? 何に「新しい」を感じるかは人によっても様々だ…

11  「新作」はもういらない? 〜 音楽の場合

平成初期、音楽は間違いなく娯楽の中心にあった。民放のゴールデンタイムには音楽番組が並び、毎週のヒットチャートは多くの人の関心を惹きつけた。ミリオンヒットとなる曲も珍しくなく、若者はCDを買い求め、その曲をカラオケで歌った。1998年、音楽ソフトの売り上げはピークを迎えている。 それ…

12  「新作」はもういらない? 〜 映像の場合

「好きなことで、生きていく」。2014年、Googleの広告で描かれた最先端の生き方── YouTuberは、いまや「小学生がなりたい職業」の上位にランクインするようになった。初めは驚きをもって迎えられたニュースだったが、状況は変わった。動画コンテンツは日に日に存在感を持つようになり、YouTubeは老若…

13  いかに新しいものを生み出すか 〜 マンガにおける「新しさ」の意味

「新感覚」「新ジャンル」「新機軸」……マンガの世界は「新しい」に満ちている。「見たことがない世界」「体験したことのない感覚」という売り文句は確かに強い。真新しい物語が、自分の感覚や世界を広げてくれる。 だけど、物語の価値って「新しい」ことだけなのか、と問われたらちょっと違う気もす…

14  「最新」があたりまえの世界へ 〜 アップデート前提のものづくり

家電やファッションの世界では、「新しさ」という評価指標が氾濫している。一方で、必ずしも「新しさ」を売りにしないものづくりのカタチがある。スマートフォンアプリは最新バージョンであることがあたりまえであり、ユーザはそのことをもはや意識すらしていない。Microsoft OfficeやAdobeなどのPCソ…

15  アップデートする建築とプログラマー的建築家

建築にとっての「新しさ」とは何か。とかくスクラップ&ビルドのサイクルが根付いてしまっている日本では、直して使い続けるよりも、商品を買い直すように新築することが“安くてウマい”方法だった。それがいま、変わりつつある。先が読めない社会に対応するべく、未完でもいいから自分にアジャストで…

#3  無用

誰かに必要とされないものは、価値がないのだろうか? いま何かをつくろうとするとき、世の中の課題を解決したり、生活を便利にしたり、誰かを楽しませたり、多くの人に理解され、必要とされる何か、つまり「用」のものをつくらないといけないプレッシャーを強く感じます。 とくに広告会社に身を置い…

16  世界最高峰の無用

2013年、ロンドン。ハイド・パークに隣接するケンジントン・ガーデンズに、巨人が石積み遊びをしたような、巨大な岩が巨大な岩の上に載った巨大なオブジェが現れた。 ©Peter Fischli David Weiss Photograph:2013 Morley von Sternberg 映像作品『事の次第』などで知られるスイス出身のふたりのア…

17  役に立たないと、いま決めてはいけない

目の前にちょっとした石が転がっていたとしたら、あなたはその石が役に立つと思えるだろうか。 約260万年前、人類は石を道具に変えることによって世界を変えた。その道具とは、HandAxe、つまり石斧だ。肉を切り裂くという革新的な道具の誕生により、食生活は大きく変わり、豊富なカロリー源を得ら…

18  Improbabilità (ありそうにない) 〜 ジュゼッペ・ コラルッソの役に立たないも…

©Giuseppe Colarusso 持ち手がロープになったカトラリー、排水口のない洗面台、かけ面がおろし金になっているアイロン……。 ビジュアル・アーティストのジュゼッペ・コラルッソ(Giuseppe Colarusso)によるこれらの一連の作品には、「Improbabilità(ありそうにない)」というタイトルが付けら…