ふらっと訪れても読みたい本と出会える「乃帆書房」
編集部員の全国書店開拓ノート4
販路開拓のために編集部員が訪れた全国の書店。直接お会いしてわかった店主のみなさまの本に対する思いやご当地の魅力を綴ります。
乃帆書房 @秋田県秋田市
秋田駅から徒歩20分。雪がいまにも降りそうで、前日に訪れた岩手とはまた違った寒さがありました。
商談の機会をいただくため、最初に店長の大友さんにお電話したときは“雑誌に広告を出しませんか”という営業電話かと思われたようで、とっても怪しまれてしまう(雑誌“広告”と聞くとそうなるだろうなあ)。
『広告』のリニューアル創刊号のことは知ってくださっていて、発売後レポートのnoteも読んでくださっていました。でも、多すぎる問い合わせや転売に巻き込まれるのが嫌だし、なんだかひっかかることもあるし、メールを返さないでおこうと思っていたと。そこで、次号の『広告』のご案内だけではなく、リニューアル創刊号の取り組みがどのようにひっかかるのかもお伺いしたいと申し出ました。
「ここどこかわかってますか、秋田ですよ」と言われながらも、半ば無理やり訪問。温かいコーヒーを煎れてくださり商談スタート。リニューアル創刊号の何にいちばんひっかかったかと言うと、noteで公開していたアンケート結果。それを読むと、リニューアル創刊号の取り組みをよくわからないまま『広告』を置いていた書店さんが多かったように感じたのだそう。
アンケート結果は、大型書店と、店長さんと直接お話しできた書店の回答がいっしょになっていたこと。複数の店舗を抱える大型書店のなかには、本部での一括商談を行なったところがあり、店長さんと直接お話しできなかった店舗があること。そのほか、『広告』リニューアル創刊号や次号の内容をお話しすると「わかりました、一度やってみます」とお取り扱いが決まりました。
その後は、東北の運転代行サービスの多さにびっくりした話や、いぶりがっこ(私の大好物)のことなどいろいろと話が弾み、すっかり長居してしまいました。気づいたときには外は真っ暗。見えなくなった道をどう帰ればよいか、手描きの地図までいただいて駅に到着することできました。
直接お会いして、そしてお話しできてよかった! と思う乃帆書房さんでした。
秋田で食べられなかったきりたんぽ鍋を後日、お取り寄せして実家で食べたことを大友さんにお伝えすると、「せりは根っこも食べるのですが、捨てたりはしてませんよね……?」とメールが。秋田のせりの根は食べられると衝撃の事実を教えていただきました。根、ごめん。
乃帆書房 探訪メモ
秋田のZINE『ユカリロ』
2016年に創刊された秋田のリトルプレス。連載のひとつ「秋田のことば収集帖」のなかで、秋田の方言では「もさもさ」のことを「モッカラモッカラ」と言うことを知りました。ユカリロ編集部は、秋田で購読率NO.1の新聞「秋田魁新報」の中で「ハラカラ」という企画ページも担当。そこで紹介されたご当地発信のZINEなどは乃帆書房さんで購入できます。
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スーパー「せきや」
乃帆書房さんから歩いて5分。地元の新鮮食材がたくさん並ぶ、秋田の味を売る店「せきや」。お店のロゴもかっこいい。椎茸卵寒天、あんず寒天、豆寒天、と秋田県名物の寒天たちも勢揃い。自家製いぶりがっこ用のスライス大根や、秋田産のなめこ500gが380円など魅力がいっぱいのスーパーでした。
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文:『広告』編集部・大塚
乃帆書房
2017年に秋田県秋田市にオープン。秋田に関する本、本に関する本、言語学、ZINEをメインに扱っています。新刊・古書問わず、店長の大友さんが自らの感性でいいと思った本をセレクト。乃帆という名前は、大友さんが「のほほん」とお店を始めたことが由来だそう。
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※状況に応じて一時休業または営業時間が変更になる場合があります。詳細はリンク先よりご確認ください。