31 民意の正体 〜 ネット時代の評価軸と攻略法
誰もがインターネットで自由に発言できる時代になって以降、様々な形で民意が可視化されるようになった。民意とは、「いいね」の数、「リツイート」の数、寄せられる「コメント」、「評価(星など)」、「レビュー」、「再生数」などの形で示されるものだ。それは、インターネット以前は「調査」することでしか知りえなかった情報(たとえば、視聴率やオリコンチャートなど)が、いつでも誰の目からも容易に見えるようになったという変化でもある。
可視化された民意は数や声の力となって、ものをつくる者たちへのエールになり、力になり、そしてときに振り回してくる。いまの時代の民意の正体とは、一体何なのだろうか?
『Scene in the photography』 ©安藤 瑠美
民意の構造
世の中における“人気”の散らばり方は、グラフ化すると「正規分布」という形を取っていると長らく思われていた。しかし現在では、様々なシーンで実は極端な「べき乗分布」になっていることが可視化され始めている。
たとえば、学校のクラス内のテストの得点の散らばり方のように、均質かつなだらかに点数が分散しているのが「正規分布」だとすれば、「一番」だけが異常に得点が高く、それ以外は急速に下がるという「ひとり勝ちの形態」が「べき乗分布」である。
ランキングや評価で1位をとったものだけが極端に売れてしまう。その現象が、ネットワーク効果によって、さらに加速・増幅されるようになっている。
べき乗構造は結果的に、あるものの価値をバブル的にふくれ上がらせてしまう現象でもある。仮に1位と2位の間に質としては大きな差がなかったとしても、一度「べき乗型人気構造」のトップに立ってしまえば、あとは「トップであること」自体が理由となって人が人を呼び、2位以下との間に途方もない大きな差を生み出してしまう。
「べき乗型人気構造」の好事例:Anker モバイルバッテリー
Ankerの展開する商品カテゴリは、もともと大々的にテレビCMを打つほどの規模感ではない。それにもかかわらず、突出して高いシェアを誇っている。スマートデバイス周辺機器を主軸にビジネス展開するメーカーはほかにもあるが、Ankerの特筆すべき点は、Amazonにおいて主要モデルがそれぞれ数千件以上の高評価レビューを誇り、まさしく「民意を味方につけている」点だ。
製品に満足した購入者がレビューを書き、そのレビューを見た人がまた購入する、という好循環。「モバイルバッテリー」というほかと差別化しにくい商材であるからこそ、高評価レビューの質と数が、購入の決め手として効果的に機能する。生活者はレビューの存在によって、何を買うかの価値判断をアウトソーシングすることができる。そのこと自体がこの商品のひとつの付加価値となっている。
なぜ高評価レビューを維持できているのか。そこには当然、「非をつけにくい製品のクオリティ」がある。コンパクト・大容量・安価と、モバイルバッテリーというプロダクトに求められる要素を網羅的に押さえ、レビューを見て購入したユーザーの高めに見積もられた期待値さえも納得させる品質の製品を安定して供給し続けているがゆえに、高評価レビューがつねに再生産されていると言えよう。
いつから「べき乗型人気構造」が始まったか?
原則として、ランダムで連続的なものはどれも正規分布になると言われている。つまり、人の殺到状況が視覚化されるというような「ネットワーク効果」が働かない状況においては、これまで、人気の偏りも正規分布に近い形を取っていたはずだ。ただ、以前より「バンドワゴン効果」と呼ばれる現象はあった。これは、「ある選択肢が多数に支持されている現象が、その選択肢を支持する者をさらに増大させる効果」である。「行列のできるラーメン屋」をイメージするとわかりやすいだろう。
従来この「バンドワゴン効果」はあくまで限定的な状況でのみ起きる現象だと考えられていたが、インターネット時代になり、人の流れや注目が可視化されるようになるにつれ、あらゆる場所で、そして極端な形で起きるようになった。
たとえば映画を例にしてその変化を見てみよう。映画の最終的な興行収入は、初週の土日2日間の興行収入から予測される。多くの場合、その約5〜7倍の範囲に収まることがほとんどだという。最初の結果がいい作品ほど「7倍」に近づき、よくないものほど「5倍」に近づくというのが定説だった。しかし近年、その強固だった定説をくつがえす作品が出現し始めている。
『ボヘミアン・ラプソディ』は、初週の興行収入3億5400万円から、現在127億円(約36倍)、『君の名は。』は初週9億3000万円が、最終250億円(約27倍)。これらのメガヒット作の跳ね方は、インターネットが普及した「民意時代」以前にはほとんど見られなかった。
「最終的にべき乗型人気構造の勝者となるもの」を早い段階で検出する方法はないのだろうか? たとえばTwitterのトレンドを検知するアルゴリズムは、システマチックにそれを解決している。Twitterのトレンドは単純にいいねの数が多いものを検出しているのではなく、瞬間的に急角度で話題の勢いが増えたもの(勢いの角度)を検出し、トレンドに反映している。急に「べき乗型人気構造」の角度を持ち始めたものは、まだ数そのものとしては僅かな時点でも既に結果が予測できるのだ。
またマーケティング的な文脈では、あらかじめ主力商品を定めるのではなく、多彩な商品群でテストマーケティングをしてから売れ始めた場所に予算を投下する、という考え方も主流になりつつある。何がトップになるのかは事前予測が不可能であるためだ。たとえばH&Mの商品戦略や、新人作家がオンラインで作品を発表でき、優秀な作品が本誌に掲載される「ジャンプルーキー!」などの仕組みに、その思想を垣間見ることができる。
「べき乗型人気構造」の評価軸はひとつではない
「べき乗型人気構造」は、これまで参照されてきた従来型の指標の外にも現れることがある。従来型の指標の例としては、「視聴率」がある。これはテレビメディアが登場して以来、長きにわたって絶対の評価軸とされてきたが、近年、それとは違った形で評価される作品が生まれ始めている。
その好例として、『おっさんずラブ』が挙げられる。単純な視聴率の面で言えば、全7話の平均視聴率は約4%であり、テレビ朝日の早河会長は「失敗作と言われる数字」と語ったが、同時にこのコンテンツの動向について「2018年上期最大の収穫」とも評した。その要因が、ソーシャルメディア上での存在感の強さである。
Twitterでは放送のたびに視聴者による“実況ツイート”が行なわれ、幾度となく番組名がトレンド入りを果たしたため、番組の認知率は非常に高いものとなった。最終回の見逃し配信の再生回数は121万回を超え、DVD&ブルーレイの予約数が同局史上1位を記録するなどの形で、視聴率とは別の部分での評価軸や収益モデルのあり方を示した。
日本テレビ系ドラマ『今日から俺は!!』は、Huluで配信された未公開シーンを含む「復活版」が、国内ドラマにおける初日配信視聴数として歴代1位を記録し、さらにHuluの会員数増加に大きく寄与するという形で収益化された。これも視聴率とは異なる新しい評価を得た例と言えるだろう。本来商業に乗らない未公開シーンがコンテンツとして再価値化されたという点も含め、映像コンテンツの従来の視聴率による広告モデルではない個人課金型のビジネスモデルの可能性を示した。
こうした例を受け、今後、従来型の評価基準とは違った形で、収益の回収手法を検討されるコンテンツはより一層増えていくと予想できる。
「民意時代」を生き抜く方法論
「民意時代」、従来型の誰の目にも明らかな全体的な指標――たとえば、テレビ視聴率、オリコンチャート、各種ランキングなど――だけでない、新しい指標内での反応を評価することが重要なのは、先の例でも明らかだ。それが数値として従来指標に現れてこないのは、それが「全体」ではなく「特定クラスタ」のなかでトップとなったことが民意の集積という形で可視化されたからにほかならない。
クラスタとは、同じ嗜好・指向を持った人々の集合体を指す。それらは「アニメ好き」「男同士の恋愛作品が好きな人」「おしゃれな生活をしたい人」など、興味・関心の傾向によりゆるやかに区分されている。このクラスタの境界は「カテゴリ」のように明確な形としては可視化されづらいが、近年のインターネットの世界ではこのクラスタの塊をいかに把握するかが非常に重要となってくる。
以降、この観点で「べき乗型人気構造」のトップを獲得したと見受けられる複数のケースを見ていきたい。
シャープ化(精鋭化)/超深度化で期待を上回る
・ギター・マガジン
[コアなギター演奏者・ギターファンクラスタ]
1980年創刊のエレキギタープレイヤー向け音楽専門誌。かつてはエリック・クラプトンやB’z松本孝弘といった幅広い層から支持されるギタリストを表紙に据え、万人向けな特集が中心だったこの雑誌に、2017年頃から方針転換がなされた。あまり光が当てられることのなかった「ジャパニーズ・フュージョン/AOR」といったジャンルや、1機種の音楽機材に絞った特集記事など尖った企画が展開され、ディープな方向へ突き抜けていくようになったのだ。
雑誌メディア低迷のなか、多くの雑誌がパイを拡大するために「薄く広く」を目指す時勢において、逆によりコアな内容への方針転換は、一見ただ読者層を狭める路線のようにも見える。しかしギター・マガジンの場合は、編集スタッフの専門性の高さを武器に、インターネットでは見ることができない濃密で信頼性の高い情報を集積するという価値を生み出した。その結果、雑誌の発行数自体がシュリンクしているこの時代において、以前はほとんど出なかったという完売号が続出し、コアなギターファンというクラスタ内の「ひとり勝ち雑誌」へと躍り出た。
思想・哲学から新たなクラスタを掘り起こす
・バルミューダ
[多少お金をかけてでも「洗練された本当にいい暮らしをしたい」クラスタ]
コンセプチュアルなアイデア――たとえば「感動の香りと食感を実現するトースター」「自然界の風を再現する扇風機」といった明快でユーザー体験にフォーカスしたコンセプトと、それにもとづくデザイン性の高さから、バルミューダは単なる家電メーカーにとどまらず、ライフスタイルごと提案するブランドとして認知されている。
一般の平均単価が3,000円程度の扇風機に、あえて10倍以上の36,000円の定価をつけるなど、ブランド発足当初は常識外の価格設定も話題となったが、従来の家電製品とは違ったスタンスを確立することで、同カテゴリの他メーカーの家電との競争を避け、「バルミューダを選ぶことに意味がある」と考える高収入独身層やDINKS層を中心とした新しい購買層を創出することに成功した。バルミューダの成功は、のちに他メーカーから同様に高価格帯でコンセプチュアルな製品がリリースされ始めたことからも、市場へ与えたインパクトの大きさが窺い知れる。
戦う軸をずらして新しいユーザーを生み出す
・うんこかん字ドリル
[ドリルに辟易している子ども/子どもに楽しく勉強させたい親]
長きにわたりその書式に変化のなかった「小学生の漢字ドリル」にエンタメ的な軸ずらしを行なうことで爆発的にヒットした事例。表題のとおり、「うんこ」という子どもが好きなモチーフを全問題文に取り入れることで好奇心を喚起し、子どもの集中力を切らさず楽しく学習を促す漢字ドリルとなった。
一見教育とは対局にあるようなモチーフだが、問題文から回答欄のカッコの形にいたるまでコンセプトを追究した徹底ぶりと斬新性が読者の期待値を超え、爆発的な人気を獲得。発売後約2カ月で発行部数148万部を記録した。その後もシリーズ化され、書店の学習参考書コーナーに定着している。「うんこミュージアム」など、二番煎じともとれるような「うんこ」追従企画も散見され、業界内「うんこネタ」潮流の中心となった。
大きなヒット・ムーブメントはどのようにして生まれる?
民意時代の「べき乗型人気構造」において、必ずしも「大きな指標」のなかでトップを獲得しなくても、限定的なクラスタのなかでトップに立てればその「勝ち」を総取りできるという仕組みについては前述のとおりだが、それでは、総合的に、誰もが知っているレベルまでヒットするものになるためには何が必要なのだろうか?
ここでは、ふたつの視点を紹介したい。
ひとつは、複数の「ひとり勝ち状態」の重ね合わせによって、純粋な積み上げで盛り上がりがふくれ上がり、追従するフォロワー層を多く獲得して国民的レベルのヒットとなる場合。
もうひとつは、コンテンツの「一要素」が「アイコン的」な存在としていわゆる「バズ」的な話題をさらい、大きなムーブメントを牽引する場合である。
複数の「ひとり勝ち」の重ね合わせによってヒットコンテンツとなった事例
一つひとつのヒットしたクラスタ自体はさほど大きくなくとも、ジャンルの違うクラスタの塊が重なり合うとそれは数として大きな意味を持つようになり、その結果、別の評価軸で新たに「ひとり勝ち」状態になることによって、よりスケールの大きいフォロワー層を獲得することに繋がる。その例を見ていきたい。
・君の名は。
[アニメコアファン×ジブリ的大作アニメ需要層×恋愛デートムービー好き×音楽(RADWIMPS)ファン]
『君の名は。』は、もともと新海誠監督の作品を追いかけていたコアなアニメファンだけでなく、普段はジブリ作品のような「大作アニメ映画」しか観ない層、さらにはデートムービーとしての需要を満たすような「泣ける」王道恋愛映画を求める層、RADWIMPSの楽曲ファンなどの複数クラスタでトップを獲ったために、社会現象と呼べるレベルの大きなヒットとなった。ジブリ不在の「夏休み映画」のなかでトップに躍り出た本作は、歴代興行収入4位と記録的な興行収入を叩き出すこととなった。
・スプラトゥーン
[コアゲーマーコンテンツ×ライト(キッズ)ゲーマー×ストリートテイスト]
任天堂から発売された、インクを水鉄砲やバケツなどの「ブキ」で撃ち合うシューティングゲーム。このゲームで採用されている「TPS(Third Person shooter)」というシステムは、これまで主に北米市場のコアな成人ゲーマーに支持されてきた。ゲーム性や戦略性の評価は非常に高かったものの、テイストなどの傾向から取っ付きづらくあまり日本人受けしなかった。そのジャンルを「インクバトル」という形で読み替え、ストリートカルチャーの趣を感じさせるポップなテイストを追究したことにより、従来とは異なる層(キッズなど)の開拓に成功し、新しい任天堂の主要知的財産として成長した。
・シンカリオン
[新幹線好きの子ども×ロボット好きの子ども×親世代の“鉄オタ”たち]
新幹線が変形するロボットもの作品。子ども向けアニメであるが、作品中にはかなりディープな鉄道ネタや、子ども世代が生まれるはるか前の鉄道を懐かしむシークエンスなどがふんだんに盛り込まれており、親世代の“鉄”たちへの心配りも十二分に感じられる。「図鑑的豆知識」も得られる内容で、親が子どもに見せたときに不安を感じさせる描写も少ない。
また、シンカリオンのおもちゃは「プラレール」と同じ規格が採用されており、変形・合体可能なロボットの「新幹線形態時」にはプラレールの線路の上で遊ぶことができるといった子どもの満足度を向上させる施策も徹底されている。少子化でおもちゃ売上が低下する最中、「シンカリオン」効果によってタカラトミーの定番商品であるプラレールは2017年に過去最高益を記録した。
「アイコン」がつくり出す民意時代のムーブメント
次に、クリエイターやマーケティング発の意図的なものではなく、民意による偶発的な意志によってそのヒットが大きなムーブメント化した事例を見ていきたい。この現象におけるひとつのヒントは、作品を象徴する「アイコン」である。作品のごく一部の要素であるなんらかの「象徴的存在」が、誰もが知るキーワードとしてトピックとなり、拡散され、ムーブメントを牽引していく様子をここには見ることができる。
近年でその好例となるのが、『名探偵コナン ゼロの執行人』だ。強固なファンベースを持つ長寿コンテンツの『名探偵コナン』において、本作を象徴する「安室透」は比較的新しいキャラクターである。“宿敵”である赤井秀一とのコンビはこれまでも子ども向けと見られていた同作に数多くの若年女性ファンを呼び込むことに成功していたが、安室が単体で起用された本映画公開を機に、彼はさらに大きな求心力を持つキャラクターへと成長することとなった。
「安室を“100億の男”(=興行収入100億円の映画の主演男優)にしよう」というファンの呼びかけが、この作品を単純なヒットの枠に留まらない、ムーブメントにまで押し上げた。結果として本作は91.8億円と、実際に100億円近い興行収入を記録。このムーブメントは生活者主導で引き起こされたものであり、民意が波及していくことで市場に大きなうねりを起こす事例として興味深いものだ。
『名探偵コナン』における安室透のように、作品を象徴するアイコンがあるとき、それは作品を世に知らしめる起爆剤として機能するほか、アイコン自体がひとり歩きして世間に波及するという現象がしばしば起きる。
ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』では、YouTubeなどの動画サービスで、エンディング曲『恋』のダンスを“踊ってみた動画”ムーブメントが起こり、『アナと雪の女王』では「レリゴー」の愛称で親しまれる主題歌『レット・イット・ゴー』のサビのフレーズが世界中に伝播した。2018年最大ヒット映画作品である『ボヘミアン・ラプソディ』でも、「#ドンドンパッ」のハッシュタグが大きく寄与している。主に映画やドラマのように複雑で濃密な情報を持つ作品においては、生活者がその一部を切り出し拡散させることのできる「アイコン」の存在が非常に大きな意味を持ってくる。
『Scene in the photography』 ©安藤 瑠美
総括
これまで見てきたように、「民意時代」となり「べき乗型人気構造」がはっきりと健在化してきたいま、自分が「ひとり勝ち」できる場所がどこかを狙い定めることは非常に重要になってくる。現在可視化されているフィールド(評価軸、評価軸内での競争相手)において、既に先行するトップが確立している場合、二番煎じを狙うことは非常に効率が悪い時代となった(べき乗分布では二番手以降が獲得できる数値は一気に下がるからである)。
その際の攻略法として、「軸をずらす」ことで自分が圧倒的優位性を担保できる新たなフィールド(新しいクラスタ)を探す・創造することはひとつの手段となる。しかしそれは、ただニッチを狙えばいいという話ではない。重要なのはそのフィールドにおいて「ユーザーが想定しうる期待水準」を上回る成果を出せるかどうかだ。
複数のフィールドで「べき乗型人気構造」のトップを獲得し、それがある程度の規模以上になったとき、そのコンテンツのなかに含有される「アイコン」がひとり歩きし、コンテンツの成長を下支えする大きなうねりを形づくることもある。だがそれを制作者として狙ってコントロールできるかと言えば必ずしもそうではない。「バズる」や「映える」といったことは、おそらく民意時代のものづくりの本質ではない。
「自分が唯一の存在として輝ける場所」を見つけ出し、そこで充分にトップとして戦えるだけの、「期待水準を超える」クオリティを生み出すこと。結局のところ、為すべきことは場を見極めた上でこれまで以上に誠実に深く掘り下げたものづくりをするというほかなく、今回取り上げたどのケースにおいてもそこをないがしろにしている例はない。民意とは、人が集まっているところにさらに人が集中する仕組みであったとしても、その一つひとつは生きた人間の「まなざし」そのものであることに違いはないのだから。
構成:山本 友理/文:渡辺 紺/編集協力:森永 真弓
山本 友理 (やまもと ゆり)
2007年、博報堂入社。コピーライター。プロモーションプランナーとして、買物研究所、第一プロモーション局を経て、2012年10月よりコピーライターへ転向。デジタル領域、オタク領域に特化しながら「WEBの気分を読む」統合的なプランニングを行なう。4歳男児の母。腐女子。
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この記事は2019年7月24日に発売された雑誌『広告』リニューアル創刊号から転載しています。
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