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平成の歴代編集長インタビュー

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『広告』リニューアルにあたり、平成の歴代編集長へのインタビューを実施。各々のイチオシ記事や渾身の一冊を公開しています。
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#イチオシ記事

Let’s redefine the concept of “river” to expose new creative potential.(市耒元編集長イチオシ記事)

「川」という概念が 抱えきれなくなっているものを 見つめながら、 「川」に創造的な可能性を 見いだしていこう 日時|2014年7月19日 11時–13時 場所|株式会社博報堂 赤坂本社9F s.a.lルーム ― 対談 竹村公太郎 東北大学客員教授、元国土交通省河川局局長、 公益財団法人リバーフロント研究所研究参与、 日本水フォーラム代表理事・事務局長 市耒健太郎 博報堂クリエイティブディレクター 『広告|恋する芸術と科学』編集長 なぜ、今、川か? 東京の川の生成を

やさしい革命1 「縁」でつながろう (永井元編集長イチオシ記事 #2)

創縁社会 〜縁に頼れる社会を作り直す つながりというと「絆」を思い浮かべますが、その必要性は震災を経て既に自明です。これから考えたいのは、つながりを、伝統的知恵である「縁」というコンセプトから未来的に再構築する方法です。血縁や趣味のネットコミュニティのような閉じた共同体の絆ではなく、自分の持ち味を活かしながら公共的な責務を果たせる場所。その社会イメージを描いてみます。 「村八分」の残り2割って何?「村八分」という言葉の意味をご存じでしょうか? 小学生の頃はクラスで仲間はず

やさしい革命2 創造的になろう (永井元編集長イチオシ記事 #3)

創造的に生きるためにできることつくることは、生きること。一人ひとりの「創造力」を、お互いに活かしあう、そんな「創造力の解放」ともいえる動きが、世界同時多発的に起こり始めた。その先駆的事例から見えてくる、私たちが創造的であるためにできることとは。  人の手が生みだす「手仕事」の価値を見直そうという動きが広がっている。その理由はなんだろう。そして、人は何故モノをつくりだそうとするのだろうか。「なにかをつくりたい」、それは「よりよく生きたい」と願う人の根源的な欲望だ。そして「手仕

やさしい革命3 今を充実させよう (永井元編集長イチオシ記事 #4)

コンサマトリー。 身近な幸せを大切にすることが未来の幸せをつくる「コンサマトリー」。文字通りの意味は「自己充足的」。アメリカの社会学者タルコット・パーソンズの造語だ。目的のために努力するのでなく、その時その場で楽しむこと。これを否定的にとらえるのではなく、肯定的な価値観、前向きな生き方として見ることに「未来を生きるヒント」がある。 今を、楽しく その切実さは「未来の不安」ではなく、ますます現在のものになりつつある。高齢化による、年金を始めとした日本社会の構造的不安。積み上が

やさしい革命4 オープンになろう (永井元編集長イチオシ記事 #5)

他者との「壁」をコントロールできる未来へ 一口に「オープン」といっても、別にすべてをオープンにしようというのではない。誰もがTwitterやFacebookでプライバシーをさらけだす必要はないし、TPPのようなグローバリズム礼賛というわけでもない。大切なのはバランスだ。ただ、ある部分をオープンにすることで、自由やつながり、シェアやイノベーションが生まれたりする。  では、何をどれくらいオープンにすればいいのか? そこから生まれる未来とは? 4つの面から考えてみた。 同質性と

河合隼雄さんと「関西弁力」に迫る (土井元編集長イチオシ記事)

「なぜ関西人だけが、東京でも方言(関西弁)をでかい声で話すの?」「最近、関西弁を話す若者が、東京でも増えていないか?」「関西弁で話をされると、まるめ込まれやすい気がする」  関西弁の持つ特徴や計り知れないパワー=「関西弁力」について、臨床心理学者で文化庁長官の河合隼雄さんと話し合い、5つのキーワードで解き明かしてみました。 関西弁力 その一 ニュアンスで「まあるくする」力 編集部:今日は「関西弁力」について、お伺いしたいと思います。 河合:関西弁力は何ボルトで? 編集

やりすぎ万歳! 名古屋のクリエイティブ(嶋元編集長イチオシ記事)

世界でいちばんエクストリーム! 名古屋のパワーが、日本を変える!? あ、シャチホコが……。  確かにそうかもしれません。ファッション雑誌を開けばトレンドセッター・名古屋嬢の特集が組まれ、経済誌の表紙に踊るのは「不況知らずの名古屋経済」の文字。いざ新幹線で名古屋へ降り立てば、迎えてくれるのは245mもある世界一大きな駅ビルです。道を歩けば至るところでなにやら行列ができていて、街中の駐車場に「満車」のサイン。わずか5段の階段のためにエスカレーターがつくられる贅沢な地下街もあれ

fsdとはなんだったのか。どうありつづけるのか。(池田元編集長イチオシ記事)

「広告」fsd編集長 池田正昭 この一年、真四角になったこの雑誌の正式名称は、「広告 future social design magazine」というものでした。future social designを略してfsdと呼んでいました。しばしばリニューアルされる雑誌「広告」の長い歴史においても、さらにはほかの雑誌との比較においても、形状以上にそのコンセプトと方法論が、その評価はともかくとして、ずば抜けて型破りな大リニューアルでした。fsdシリーズの「広告」は、計6回世に送

「じぶん探し」の次の若者モードとして「ひきこもり」の適応形態あたりが新しいと思う(細井元編集長イチオシ記事)

斎藤 環さんにききましたききて:(斎藤さんと同い歳で「80年代型じぶん探し系」の典型と自認する)編集部 ──● 斎藤さんは80年代が境界例の時代で、90年代が多重人格の時代とおっしゃっていらっしゃいますが、その二つはどう違うんでしょう。 斎藤●「境界」を意図的に乗り越えるかどうかの違いでしょうね。意識的に境界を乗り越える身振りが「80年代的」だとすると、否応なしに乗り越えさせられるというか、その身振りが自然体にみえるほど「自動化=不随意化」したのがその後の世代です。 80

これで日本のサッカーが変わる(杉本元編集長イチオシ記事)

Jリーグ チェアマン 川淵三郎氏インタビュー 日本のサッカー活性化にはプロ化しかない── プロ化への経緯ということから、お話をうかがえればと思います。 川淵 近年の日本のサッカーの状況というのは、大きく言って二つの問題を抱えていたわけです。一つは観客動員数が頭打ちだということ、もう一つは世界の檜舞台に出て行けないと言うことです。  この二つの問題をどう打破するかということで、1988年3月に日本サッカーリーグの中に、第一次活性化委員会というのが設置されました。そこでいろい

動き出すシルバーメディア(久保元編集長イチオシ記事)

2000万部のシルバーメディアに学ぶ  シルバー新人類の時代がやってくる。高能力・高学歴でなにごとにも積極的なシルバー新人類。彼らが世代構成の中で大きなボリュームを持つようになるこれからの日本では、新しい形のシルバー層向けメディアが必要とされるに違いない。特に雑誌の世界では、マガジンハウスやPHP研究所が新しいタイプの熟年雑誌を近々創刊の予定でもあり、シルバーメディアへの試みは、ますます活発化しそうである。  そこで本特集では、最近急激に発行部数を伸ばしているアメリカのシル