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本好き店長の夢が叶った場所「古本屋ブックスパーチ」

編集部員の全国書店開拓ノート9

販路開拓のために編集部員が訪れた全国の書店。直接お会いしてわかった店主のみなさまの本に対する思いやご当地の魅力を綴ります。

古本屋ブックスパーチ @鹿児島県鹿児島市

鹿児島中央駅から路面電車に乗り、賑やかな天文館通駅の次、いづろ通駅で下車。古本屋ブックスパーチさんは、あと5年で取り壊されてしまうトマルビルの1階にあります。白い壁に入り口の青い扉がかわいい。

ブックスパーチ

なかに入ると店主の諏訪田さんが迎えてくださいました。昔から自分でやってみたかった書店を、あと5年でなくなるという限りある場所だからこそやってみようとこの古本屋ブックスパーチをオープンされたそう。

現在は地元の別の書店にも書店員として入り、仕事がお休みの日にこちらを開店。古書を中心に九州にまつわる本や諏訪田さん独自のチョイスの新刊が並びます。『広告』リニューアル創刊号を販売した際、鹿児島県ではお取り扱い書店がなかったこと、そしてリニューアル第2号では各都道府県に1カ所は手にとって見てもらえる場所を見つけたく書店さんを回っていることを説明すると、「力になれるかわからないけれど、取り扱ってみたいです」と言っていただき、鹿児島県で唯一『広告』を置いていただけることに。最新号の販売当日のTwitterにはこんな呟きを発見し、こちらまで嬉しくなりました。

ブックスパーチさんのあるトマルビルは、B1〜4Fまで様々なお店が入っています。イカしか描かないアーティストさんのアトリエ、ギター教室、ゲストハウス、ギャラリーや屋久島の香りをテーマにしたお店も。1Fはお店を仕切る壁がなく、ブックスパーチさんの隣にある、おだしを使ったごはんが食べられるお店「Sui」さんからはとってもいい匂い。私がご訪問したこの日は、トマルビルで働く方が集まるお鍋パーティが開催されるとのこと。美味しそうな匂いに後ろ髪引かれながらも、諏訪田さんおすすめのお店へと向かいました(お店の詳細は探訪メモにて)。

最近、棚が新しくなったり、今までとは違った出版社さんとのお取引も増え、新刊のラインナップも広がってきているそう。諏訪田さんが「いろいろと新しいことにチャレンジしてみたい」とおっしゃっていたことをどんどん実現されているのだな。

ちなみに、ブックスパーチさんを訪れる前は大分県のカモシカ書店さんを訪問していました。大分駅から鹿児島中央駅へは特急ソニック→新幹線のぞみ→新幹線さくらを乗り継ぎ約4時間の列車の旅。

特急ソニックは、小倉駅にて駅の都合で車両の頭から入りお尻からでるスイッチバックがあり、そのときになるとアナウンスが流れ、他のお客さんと協力して座席を全部反対に向けます。乗り合わせた人といっしょに、よいしょよいしょと作業をし、どこへ行くの? なんて会話をすることも貴重な経験。遊び心いっぱいのJR九州の観光列車をいつか制覇したいものです。

古本屋ブックスパーチ 探訪メモ

チカバノ食堂
諏訪田さんおすすめの鹿児島の食材を使ったおいしいごはんが食べられる食堂。カウンターに陣取り、鹿児島黒豚肩ロースの特製味噌漬け焼きをいただきました。黒豚がもう柔らかいったらありゃしない。おいしいお肉は豚でも焼きすぎてはいけないんだそう。店長と奄美大島出身の学生アルバイトさんと会話しながら食べて飲み、ほんわりとした夜を過ごすことができました。
▶︎ お店のHPはこちら

伊佐町のヒノヒカリ
チカバノ食堂さんで食べたお米があまりにもおいしくて、つい銘柄を聞いてしまいました。季節に合わせておいしいお米を選ぶらしいのですが、この時は鹿児島県の北部に位置する伊佐町のヒノヒカリ。冷たくきれいな清流のおかげでおいしいお米が採れるのだとか。この伊佐町のヒノヒカリが家でも食べたくて帰ってすぐにふるさと納税でお取り寄せ。我が家で食しています。冷めてもおいしい!


文:『広告』編集部・大塚

古本屋ブックスパーチ
2018年9月にオープン。本好きな諏訪田さん選書の古書を中心にミシマ社さんの新刊なども置くなんとも門戸の広い書店さん。お店には「とまり木郵便局」行きなるポストがあり、そのときどきのテーマにそった手紙を集め、定期的に開催されている読書会で読まれます。差出人も読み手も聞き手もわからないまま進む不思議なプロジェクト、おもしろそうです。
▶︎ 詳しい情報はこちら

※状況に応じて一時休業または営業時間が変更になる場合があります。詳細はリンク先よりご確認ください。

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