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本のアーチをくぐると広がる静かな読書空間「わおん書房」

編集部員の全国書店開拓ノート32

販路開拓のために編集部員が訪れた全国の書店。直接お会いしてわかった店主のみなさまの本に対する思いやご当地の魅力を綴ります。

わおん書房 @福井県福井市

この日は、わおん書房さんを目指して福井県福井市へ。都内からは、まず飛行機で羽田空港から石川県の小松空港へ飛び、そこからバスで福井駅へと向かうのがスムーズです。

福井駅から歩いてすぐにある「新栄商店街」は、戦後の闇市から始まっているらしく、小さめの長屋が密集しています。なかには軍モノ専門店やボクサーパンツの専門店などちょっと変わったお店も。この商店街の中央にわおん書房さんはあります。

実は、最初にお店にお電話をしてから店主の廣部さんとお話ができるまで数週間かかりました。私がお電話するタイミングは、いつも廣部さんが接客をされているとき。わざとではないんです、と言い訳したくなるほど何度もそれが続いてしまい……。ある日「いまなら話せますよ」と言っていただいたときは「よっしゃ!」と思わず心のなかでガッツポーズ。『広告』の概要を聞いていただき、直接お店にお伺いできることになりました。

お店に入るとまずは本棚のアーチが迎えてくれます。奥行きのある店内には木製の本棚があり、アートブックや児童書を中心に廣部さんがセレクトした本が並んでいます。

わおん書房入口

さぁ『広告』のご案内を、と資料を出した瞬間、資料の隙間からチョコレートが勢いよく飛び出した! こ、これは前日に編集長からもらったチョコレート。おやつにと持ってきていたのが、どういったわけかはさまっていたようだ。恥ずかしくて大慌てしていると、廣部さんは「少し緊張していたけれど、なんだか和みました〜」とにこっと笑ってくださいました。編集長、チョコレートありがとうございます。

そうこうしているうちに、お客さんが来店。小学校低学年のお子さんに贈る絵本を探しに来られたよう。廣部さんがおすすめされていた本は『こんにちは おてがみです』(中川李枝子・山脇百合子ほか、福音館書店、2006年)。「ばばばあちゃん」や「ぐりとぐら」など絵本の主人公から自分宛てに手紙が届くストーリーで、封筒つきのページからお手紙を取り出して読むスタイル。「手紙をもらうときのワクワク感があるし、手紙の宛名部分が空白なので送る相手の名前を書いてからプレゼントすることもできますよ」など廣部さんのていねいな説明を聞いていると、私まで欲しくなってしまいます。お客さんはこの本を嬉しそうに買って帰られました。

もともとは本とはまったく関係のないお仕事をされていた廣部さん。何か福井の街で文化の拠点になることをやってみよう! と思い立ったのがきっかけで本屋を始められたそう。わおん書房のコンセプトである“暮らしの中に「!」を”にも通じるところがあるかもしれない、と『広告』お取り扱いいただくことが決まりました。

奥のレジカウンターでお話をしていたのですが、ずっと気になっていたのが淡いブルーグレーの生地にお店のロゴが刺繍されているエコバッグ。出張中にちょうどいいサイズのエコバッグがあると重宝するのでひとつ購入することに。聞くと、なんとこのバッグは廣部さんのお母様の手づくりだそう! 私物はこのバッグに入れて持ち歩くことに決めました。これでもう資料からチョコレートが飛び出すこともなくなりそうです。

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わおん書房 探訪メモ

かこさとし ふるさと絵本館「砳」
廣部さんが紹介していた絵本にも登場する「だるまちゃん」シリーズでも有名な絵本作家・かこさとしさんは、福井県越前市のご出身。わおん書房さんのある福井駅からは電車で20分ほどのふるさと絵本館「砳」(らく)には、かこさんの絵本、約500種が自由に閲覧できる絵本の部屋や、原画が展示されるスペースも。絵本に登場するキャラクターの衣装を着ることもできるのですが……残念ながら大人サイズはありません(泣)。ちなみに私のおすすめは、幼少期これで虫歯の恐ろしさを知った『むしばミュータンスのぼうけん』(かこさとし、童心社、1976年)。虫歯菌目線で書かれているところがポイントです。絵本館前の公園には「だるまちゃん」シリーズのキャラクター「だるまどん」と「おかあさん」のかわいい遊具も!(ふるさと絵本館「砳」のHPはこちら

わおん書房4


文:『広告』編集部・大塚

わおん書房 
2019年4月福井県福井市にオープン。お店の奥はカフェスペースになっていて、購入した本や持ってきた本を読むことができます。越前和紙を使ったコラージュのワークショップや、著者を招いてのトークショーなども開催。お店のInstgramではていねいに本の紹介がされていて、読書心をくすぐります。
▶︎ 詳しい情報はこちら

※状況に応じて一時休業または営業時間が変更になる場合があります。詳細はリンク先よりご確認ください

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吉 「出船に船頭待たず」
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