物語のある本と雑貨を扱う「artos Book Store」
編集部員の全国書店開拓ノート18
販路開拓のために編集部員が訪れた全国の書店。直接お会いしてわかった店主のみなさまの本に対する思いやご当地の魅力を綴ります。
artos Book Store @島根県松江市
一月と六月さんを訪問後、次に向かったのは島根県松江市にある「artos Book Store」(アルトスブックストア)さん。一月と六月さんがある境港駅から松江市内まではバスで約40分。列車を使うと1時間以上かかるのですが、このバスのルートは鳥取県と島根県にまたがる中海という湖の真ん中を突っ切って走るので、早くてとても便利。
湖を抜けるときは左右の窓から湖が見えるので、まるで水の上にいるような感覚に。その他にも、昔とある車のCMでも使われた「江島大橋」もとおるので(急勾配すぎて空に登っていくような気分になる)、おすすめの移動方法です。
最初にメールとお電話で『広告』のご案内をしたのが、11月中旬頃。お店にお伺いしたいことをお伝えすると、店長の西村さんから「この辺は雪が降ると大変だから早めに来られたほうがいいですよ」とアドバイスをいただき、急ぎ山陰地方への出張を計画しました。訪問した日は幸い雪は降っておらず、国宝松江城[大手前]のバス停で降りてから、徒歩でお店へと向かいました。
このartos Book Store さんは、販路開拓をするなかで、いくつかの書店さんが紹介してくださったのですが、私が個人的にフォローしている京都のコーヒー屋さんのインスタグラムにも登場していて、いつか行ってみたいなとスマホにメモをしてあった書店さんなのです。
1冊ずつていねいにセレクトされた本や「衣・食・住」をテーマにした雑貨や食品が並ぶ店内では、定期的に展示販売やトークイベントも開催。訪れた日は、奈良県の靴下ブランド「Ponte de pie!」(ポンテデピエ)とイスラエル発の革靴専門店「NAOT」の展示販売をされていました。
気になる展示を横目に、店長の西村さんに『広告』をご案内。お客様のニーズに合うかな、と少し悩まれてから「一度置いてみよう」とお取り扱いが決まりました。
途中から奥様も加わってくださり、本以外のことにも話が広がりました。お店で展示されるものに京都のものがたくさんあるので、理由を聞くとご夫婦で度々訪問されるそう。京都出身の私でも知らないことがたくさんあったので、今まで行かれたお店などをぐいぐい質問し、個人的な行ってみたいリストに書き加えました。その日、西村さんが着ていらっしゃったニットがとてもかっこよく、海の男たちのためにつくられたのが始まりという、とても頑丈な「ガンジーセーター」だという情報まで聞き出しました。改めて西村さんのセレクトされる本も雑貨も食品も、それぞれに物語がある素敵なものが溢れているなと感じました。
実は、島根県にくるのは今回が初めて。松江は友人の故郷なので夜ごはんのおすすめを聞いたのですが、ひょんな流れから友人のお母様とふたりで夕食へ。松江独特の鯛めしを紹介してもらいました。美しく盛られた薬味を白ご飯にたっぷりトッピングし、お出汁をかけてサラサラといただくのです。
出張先では、ほとんどひとりでごはんを食べるのですが、その日は懐かしい話にたくさん笑い、おいしいものを食べ、楽しい夜を過ごすことができました。
artos Book Store 探訪メモ
Ponte de pie!
奈良県の田んぼの真ん中にある靴下工場から生まれた“毎日履きたい定番商品をつくる”をテーマにつくられている靴下ブランド。熟練された職人さんが昔ながらの織機で編み、水洗いしたあと自然乾燥。時間をかけてゆっくりつくられているからか、丈夫でほんとうに履き心地がいい。私も愛用していて、夏には和紙混のシャッキリした生地のもの、冬にはウール入りでぬくぬく過ごせるものなど季節によって履き替えています。artos Book Storeさんではハイソックスを購入し、この冬、何度も活躍してくれました。次はネップ入りのグレーを買うぞ!
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文:『広告』編集部・大塚
artos Book Store
1966年に「西村書店」としてオープン。2005年に「artos Book Store」としてリニューアルしてからはセレクトされた本、雑貨なども取り扱います。ご訪問した日は店舗をもたないお菓子屋さん「HORNO」(オルノ)の販売もあったので、ビスコッティをひとつ購入し、翌日のおやつにしました。
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※状況に応じて一時休業または営業時間が変更になる場合があります。詳細はリンク先よりご確認ください。
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