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山の上で店主の偏愛本と出会う「問tou」

編集部員の全国書店開拓ノート41

販路開拓のために編集部員が訪れた全国の書店。直接お会いしてわかった店主のみなさまの本に対する思いやご当地の魅力を綴ります。

問tou @長野県

「株式会社NSI」を訪問後、支店長の伊藤さんに長野駅まで車で送っていただいたおかげで、この日のタイムスケジュールがググッと縮まりました。駅ビル内にある「信州蕎麦の草笛」にて伊藤さんおすすめのくるみ蕎麦を食し、満腹になった私が次に目指すのは「問tou」。リニューアル創刊号からお取り扱いいただいているものの、一度もご挨拶にお伺いできていなかったお店です。

まずは長野駅から北陸新幹線で上田駅へ。お店まで公共交通機関だけではたどり着けないことは調査済みでしたが、何かいい行き方はないかと上田駅の観光案内所の方に聞いてみると、しなの鉄道「田中駅」で下車し、そこから1時間半歩くかタクシーを利用するといいと教えてもらいました。ただタクシーの数は少ないから気をつけてくださいね、とも。

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「全国の『田中さん』大歓迎」の田中駅に到着。運よくタクシーが停車していたのでさっそくお店へ。気持ちのいい山道を走ります。到着する前に忘れちゃいけないのが帰り道の確保。運転手さんに相談すると、連絡をくれればまた迎えにくるよ、と快く引き受けてくださいました。ありがたい。

問touは温泉やアウトドアも楽しめる芸術むら公園内にあり、厳選された本や雑貨が並ぶほか、ハンドドリップのコーヒーも楽しむことができます。大きな暖簾をくぐってなかに入ると廊下に本がずらり。文庫本の横に写真集があったり、本がリズミカルに配置されていて、なんだかワクワク。お店のHPに書かれていた選書についての言葉 “ 好きな本だけ並べる本屋をやることにした。……必然じゃなくて、フラフラ歩いて、手にとって「お、おもしろそうだな」って買うのが、本屋なんだから” のとおり、本たちが楽しげに並んでいました。

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ドアを開けてなかへ入ると喫茶と新刊のスペース。山の上にあるので窓から見える開けた景色がなんとも美しい。レジの前に『広告』著作特集号を発見!嬉しくなってつい目の前で作業されているお店の方にご挨拶とお礼を。対応してくださったのはスタッフの方。急なお声がけにもかかわらずお店の説明や、おすすめ書店の情報も教えていただきました。

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流通特集号の記事でインタビューをさせていただいた代表の平田さんにもご挨拶。今回の販売方法などを改めてお伝えすると、「問tou」では実店舗 で、平田さんが運営するもうひとつのお店「パンと日用品の店 わざわざ」ではオンラインで、というふたつの経路で販売したいとご相談いただき、2つのバージョンの表紙をつくることとなりました。

外まで見送ってくださった平田さんが「毎日この場所に出勤するのって本当に気持ちいいんです」と。しばらくテレワークが続いていたので、こんな眺めのいい場所、いい空気のなかでお仕事ができるのって素敵だなぁと思いながらお店をあとにしました。

せっかくのなので車で10分ほどの場所にある姉妹店「パンと日用品の店 わざわざ」へも立ち寄ることに。店名の由来は、“わざわざ足を運んでくれてありがとう"。うん、本当にそんな感じ。

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パンのいい匂いをかぎながら、独自の商品選定基準を満たした選りすぐりの日用品をチェック。DIYで何度も改装されたという店内は自宅で試してみたいアイデアでいっぱいでした。タクシーの運転手さんが、いつも前をとおるけれど食べたことがないと言っていたので、運転手さんと自分用にスコーンを購入。この辺りはもともと、ぶどうの産地だったけれど、最近は生産者の高齢化もあり少し背の低い木になるワイン用のぶどうの生産に切り替えたという地元情報を教えてもらいながら、田中駅へと送ってもらいました。

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問tou 探訪メモ

「パンと日用品の店 わざわざ」のリネン靴下
わざわざのオリジナル靴下は地元長野県にある1949年創業の会社タイコーといっしょにつくられたもの。リブウール、アランウール、製造の工程で出る残糸を使ったものなど、いくつか種類のあるなかから、今回私が選んだのはサラリと履けるリネンタイプ。フィット感が出るよう工夫されていて、いつまでも気持ちよく履いていられます。ちなみに訪問した日の平田さんはアランウールタイプを履いていらっしゃいました。男性サイズもあり、オンラインでも購入できるのでぜひ!
▶︎ お店のHPはこちら

問tou


文:『広告』編集部・大塚

問tou
2019年、長野県東御市に「パンと日用品の店 わざわざ」の姉妹店としてオープン。生活必需品を扱うわざわざに対し、必ずしも必要ではないけれど心を満たすものを売るお店として、本やコーヒー、心を揺さぶるものを取り揃えています。ちょっと偏った約2,000冊の本の選書は、代表の平田さん、バリューブックスの生江さん、ツバメコーヒーの田中さんによるもの。
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※状況に応じて一時休業または営業時間が変更になる場合があります。詳細はリンク先よりご確認ください

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