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徳島県民に愛されて280年「平惣」

編集部員の全国書店開拓ノート31

販路開拓のために編集部員が訪れた全国の書店。直接お会いしてわかった店主のみなさまの本に対する思いやご当地の魅力を綴ります。

平惣  徳島店 @徳島県徳島市

書店と直接取引を行なっている雑誌『広告』では、書店員さんからいただいたアドバイスで販路が広がることが度々あります。今回訪問した徳島県の平惣  徳島店さんもそのひとつ。四国の書店リサーチがなかなかうまくいかず困っていたところ、高知県高松市にある金高堂書店の店長・亥角さんから推薦いただきました。

亥角さんから教えてもらったあとすぐに、平惣 徳島店の店長・八百原さんにお電話。急な連絡にもかかわらず、とてもていねいに対応いただき(電話を終えたあとさわやかな余韻が残るほど……)、直接お話をしに伺うことになりました。

羽田空港から徳島阿波踊り空港へは1時間半ほど。空港から30分ほどで到着する徳島駅前では、銅像が阿波踊り。

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平惣 徳島店は徳島駅から車で10分ほどの徳島南バイパス添いにあります。少し時間があったので、お店のまわりを散策しようとタクシーはお店の少し手前で降りることに。地方タクシー運転手さんとの会話の定番「どこから来たの?」の延長で「徳島の方はどこで本を買うんですか?」と聞いてみる。「平惣ですね、みんな車で行くんです」と。いまからそこへ行くのさ。みんなが利用する書店に『広告』をご案内できるんだ、となんだか嬉しくなりました。

お店に到着してなかに入ると、思った以上に売り場が広い! 奥のレジにいらっしゃった店長の八百原さんにご挨拶し、2階の事務所で『広告』のご案内をすることに。特集の内容や掛け率などのご説明をひととおり終えると、八百原さんから「編集長はどんな方で、編集部はどんな雰囲気なの?」と質問が。編集長の小野は、写真だとクールに見えるらしいのです。

そこで、小野の実家が徳島にあり、大阪育ちの関西人であること。甘いものに目がなく、あんこが好物なこと。編集部ではおやつタイムにみんなでおはぎを食べるんです、と雑誌とは関係のないこともこっそりお話しすると「どんな人たちがつくっているのか知ることができてよかった」と八百原さんは笑ってくださり、取り扱いが決まりました。直接訪問できてよかったと思える瞬間です(発売日当日には売り場の写真を送ってくださいました!)。

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突然、八百原さんから「恐竜好きですか?」と聞かれ戸惑ったのですが、2016年に徳島県勝浦町で国内最古級の恐竜の化石が見つかったこともあり、徳島県はいまちょっとした恐竜ブームだそう。

県内出身の作家、くすのきしげのりさんの絵本『6600万年前……ぼくは恐竜だったのかもしれない』(主婦の友社、2019年)の発売時には、地元で絵本の帯のコメントを公募したり、店舗で恐竜画家のCAN(キャン)さんのライブペイントを実施したり、いろいろな企画で作家さんと読者の距離を縮めることができたととても嬉しそうに語ってくださいました。現在は、コロナの影響で家にいることが多くなっている子どもたちのために、店舗で恐竜ぬり絵シートを配布されています。お店のHPからダウンロードもできるそう。

日帰りの徳島県訪問とはいえ、やはりご当地グルメを味わうことは譲れません。八百原さんのおすすめをいくつか伺ったのですが、定休日だったり時間が合わずで断念。駅前の麺王で、甘辛豚肉がアクセントの徳島ラーメンをバリカタでオーダーし、無料トッピングの生卵を落として食べました。まるですき焼き!

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平惣 探訪メモ

たかしまコーヒー店
空港行きのバスに乗る前に、八百原さんに教えていただいたお店でコーヒーブレイク。おいしいと評判の、トーストでつくるサンドイッチのメニューはなんと数十種類! 昭和33年から営業されているそうで、お母さんと娘さんが常連さんと話しながら楽しそうに切り盛りされています。お会計をするときに「最近発行されたCasa BRUTUS特別編集『カフェとロースター』(マガジンハウス、2020年)に掲載されたの。ほら見て」とお母さん。入り口の柱に掲げられた「楽しむ」というプレートにもぐっときました。

楽しむ


文:『広告』編集部・大塚

平惣 
1739年(元文4年)に平野惣吉さんが徳島県阿南市で紙屋として創業。現在は徳島県に7店舗と外商部を展開する書店。平惣の名前は創業者からとったものですが、歴代社長は名前も代々受け継ぐのがならわし。8代目である現社長も平野惣吉さんと改名されたそうです。
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