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歴史と“新しい”を感じられる「長崎書店」

編集部員の全国書店開拓ノート10

販路開拓のために編集部員が訪れた全国の書店。直接お会いしてわかった店主のみなさまの本に対する思いやご当地の魅力を綴ります。

長崎書店 @熊本県熊本市

長崎書店さんにお声がけをしたきっかけは、熊本県出身の上司に「長崎書店という素敵な本屋さんがあるよ」と教えてもらったこと。さっそくお電話で雑誌担当の荒金さんにご連絡したところ、過去の『広告』から個人的に読んでくださっていたそう。「ぜひ取り扱ってみたい」とのことでお店にかけあってくださり、ご訪問することに。

長崎書店さんがある上通町は熊本市の中心地。近くには熊本市現代美術館があり、光のアーティストとして知られるジェームズ・タレルや、発光ダイオードを多く使用した作品が有名な宮島達男のアートワークをフリーエリアで見ることができます。その影響もあってか「芸術や建築に興味を持ったお客様が来られることも多く、『広告』はきっと喜んでいただけると思います」とお取り扱いが決まりました。

そうして商談は無事に終わったのですが、実はそこに行き着くまでプチハプニングがあったのです。

この日は鹿児島駅から新幹線で快適に熊本駅へ移動し、順調にお店に到着。お約束まで時間があったので書店内をゆっくり探検していました。児童書コーナーでは五味太郎さんのサイン入り積み木が販売されていたり、私が生まれて初めて買ってもらった漫画の作者吉田戦車先生のイラストが描かれた柱があったり、他にも何か発見がありそうで店内を何度もまわっていました。時間になってお約束があることをお伝えすると店員さん、は、て? の顔。おや? どうやらここは……長崎……次郎書店! 次郎がついている!

そう、私は長崎書店ではなく、姉妹店の長崎次郎書店に到着していたのです。お店の方がすぐに時刻表を調べてくださり、あわてて路面電車に飛び乗り、なんとか長崎書店へたどり着きました。

長崎次郎書店 @熊本県熊本市

長崎次郎

ここで改めて長崎次郎書店さんをご紹介。熊本ではとても長い歴史ある書店で、国登録有形文化財にも指定されている、大正13年に建てられたレトロな建物の1階にあります。書店の2階にある喫茶室は「いい次郎」にゴロを合わせて午前11時26分に開店。アンティークな雰囲気を感じながらアイス珈琲ぜんざいや、しょうゆケーキなどをいただくことができます。

その後、長崎書店の荒金さんとやりとりをするなかで、長崎次郎書店さんにも『広告』の最新号をご提案くださり、両店でお取り扱いいただくことが決まりました。私の間違いからの訪問でお騒がせしてしまいましたが、結果的に両店で扱っていただけることとなり、どちらもお店を見ることができてよかった、と思いました。

長崎書店 探訪メモ

「宝餅本舗」のこっぱもち
熊本を訪れたらぜひ食べていただきたいのがこのお餅。母の実家が天草なので、子供の頃から姉妹で取り合いながらよく食べました。干し芋とお餅を練って練って、出来上がりはなんだか具合の悪そうな顔色のお餅だけれど、焼いて食べるとほんのり甘くて素朴においしい。今でもほとんどが手作業で作られる郷土菓子です。ちなみに「こっぱ」は干し芋が葉っぱに似てるからだそう。
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「七城メロンドーム」のシャーベット
熊本市内から少し離れた菊池市にある道の駅「七城メロンドーム」で売られている袋入りのシャーベット。赤メロン、青メロン、いちご、ブルーベリー、マンゴーの5つの味があり、果肉入り!? と思わせるそれは熊本産の果物果汁たっぷりの特別な食感のゼリーが凍っているのです。本当はお皿に移して食べるのが正しいのですが、冷たくて歯にしみながらも袋にかじりつくのが私は好きです。
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文:『広告』編集部・大塚

長崎書店
明治22年(1889年)に長崎次郎書店の支店としてオープン。2006年にリニューアルし、倉庫を改装したイベントホールでは地元にゆかりのある方の講演会などを行なっています。熊本にまつわる書籍や児童書コーナーも充実していて、親子で訪れたくなる書店さん。 
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※状況に応じて一時休業または営業時間が変更になる場合があります。詳細はリンク先よりご確認ください。
長崎次郎書店 
明治7年(1874年)創業。その昔、熊本城の玄関口と言われた城下町のおもかげが今も残る新町に位置する森鴎外の日記にも登場する老舗書店。諸事情があり2013年に一旦は休業したけれど、翌年新たな体制のもと再オープン。店内には地域お祭りの写真も飾られています。
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